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症状別
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発熱と解熱剤
発熱で始まる子どもの病気のうち、頻度的にはウイルス感染症が最も多い病気です。熱があっても、機嫌が良く、顔色も普通であれば解熱剤を使って熱を下げる必要はありません。
解熱剤は、病気を治す薬ではなく、発熱に伴う自覚症状を一時的に軽減するだけです。夜間など、急に発熱したとき、比較的元気であれば、水分を十分に与え、経過をよく観察して、翌日受診してください。もちろん、38度以上で、苦しそうであれば、日頃かかりつけ医から貰っている解熱薬(頓服や座薬)を指示通り使って差し支えありません。
解熱剤を使っても全く解熱しないときや、一度下がった熱がまた高く出た場合は、5-6時間たっていれば再度使ってもかまいません。ただし、熱は1度でも下がれば、苦しみはかなり軽減されますので、平熱まで下がらないからといって再度解熱剤を使うことは避けてください。
解熱剤を使用し、熱が下がっても病気が治ったのではないので、翌日は必ず受診し、医師の診断を受けてください。
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くしゃみ、鼻汁、咽頭痛、咳、痰
"かぜ"の場合、発熱と同時、あるいは前後して、くしゃみや鼻汁、また、咽頭痛や咳、痰などが出始めます。咳や膿性の痰が出る場合は、気管支炎や肺炎が起こっている恐れがあります。早めにかかりつけ医の診断と治療を受けてください。
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咳、喘鳴、呼吸困難
発熱を伴う場合は、気管支炎や肺炎になっている可能性があります。
発熱がなくても、喘鳴や呼吸困難があるときは、服薬や食事、安静など医師の指示に従ってください。自分勝手に服薬を中止することのないようご注意ください。
また、気管支喘息による喘鳴や呼吸困難の場合は、厳重に管理されなければなりません。かかりつけ医を決めて治療方針についてきちんと相談しましょう。
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嘔吐
嘔吐はお腹の病気だけでなく、それ以外の病気でもしばしばみられます。
1-2回の嘔吐で脱水症になることはありませんが頻回の嘔吐や水様性の下痢を伴うような場合は、受診してください。その際、経過を記録したメモをお忘れなく。
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下痢
一般的に、下痢だけで食欲もあり、元気であれば、お粥など消化のいい食事をとって暫く様子をみても大丈夫です。頻回の水様便、粘血便、血便、黒色便、発熱や嘔吐、腹痛を伴う場合などは、検査の必要がありますので、便を持って受診してください。
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腹痛
子どもはしばしば腹痛を訴えます。食欲もあり、元気に遊んでいるような場合は暫く様子をみてもかまいませんが、腹痛が次第に強くなる場合、発熱、発疹、嘔吐、下痢などを伴う場合は必ず受診してください。
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頭痛
発熱、嘔吐などを伴う頭痛や、頭を打ったときの頭痛は要注意であり、必ず早めに受診してください。
学童期になるとしばしば頭痛を訴えるようになります。感染症の有無、外傷の有無、意識障害やけいれんの有無、頭痛の部位や強さ、性状などが診断の重要な手がかりになります。たとえ元気であっても放置せず、医師の診断を受けてください。
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発疹
発疹はその性状、出現部位、広がり、発熱の有無、痒み、疼痛、その他の全身症状などを参考に診断しなければなりません。従って、必ず子どもを連れて受診してください。一目で診断できるものもあれば、経過をみたり、詳しい検査をしてはじめて診断できるものまで様々です。
発疹の写真があれば受診時に発疹が消失していても、診断の参考になります。
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けいれん
●6ヶ月までの乳児のけいれんは、脳障害の可能性もあります。発熱の有無にかかわらず必ず受診してください。
●6ヶ月から5歳までの乳幼児では、発熱時にしばしばけいれんが起こります。単なる熱性けいれんの場合と重篤な脳炎、髄膜炎などの症状の一つとしてけいれんが起こることがあります。
けいれんが起こっているときは、患児の意識がないので、患児を横向きに寝かせ、顎を後ろに挙げるような姿勢を保ち、誤嚥させないよう注意し、けいれんが終わるのを待ってください。
嘔吐したときは窒息しないように吐物をかき出してください。舌を噛むといけないといって、タオルや割り箸を口に入れたりするのは、かえって良くありません。
けいれんが止まっても暫くは朦朧としていますので、口からは何も与えないで様子をみてください。
解熱用の座薬は使用しても差し支えありません。暫く様子をみて、熱も下がりはじめ、すやすやと寝ていれば慌てて受診する必要はありませんが、必ず一度は受診してください。
●過去に熱性けいれんと診断され、抗けいれん剤(ダイアップ座薬)を常備している人は、発熱時には指示どおりに使用してください。
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頭部打撲
頭を打ったときは、直後は泣きますが、一般的に、頭痛、嘔吐、けいれん、意識障害など神経症状が全くない場合は、2-3時間様子をみてください。
多少でも変わった症状が出れば受診してください。いずれにしろ、2-3日間は家族が十分観察する必要があります。
打撲直後に、頭痛、嘔吐、けいれん、意識障害があった場合は、持続時間の長短にかかわらず直ちに受診してください。
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異物誤飲
子どもが急に泣いたり、むせ込んだり、咳き込んだりしたときは、何か異物を誤飲した可能性があります。吐かせてはいけない場合がありますので、医師の指示を受けてください。誤飲物として多いのがタバコです。子供の手の届かない場所に置いて下さい。灰皿に水を入れるのはやめましょう。
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気道異物
異物を誤嚥すると直後に激しい咳が出たり、喘鳴、呼吸困難などが出現することがあります。直ちに受診してください。異物として多いのは、ピーナツ、アーモンド、オモチャ、文房具、ピンなどです。
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鼻出血
子どもの鼻出血は比較的多い訴えです。外傷や出血性の病気がない場合は、大部分が鼻の入り口にあるキーゼルバッハというところからの出血です。
下を向かせた状態(うつむけ)で、小鼻を親指と人差し指などで掴み、数分間圧迫しますと簡単に止血できます。上を向かせて(あおむけ)いますと、止血が不十分な場合、血液がのどに流れ込み、飲み込みますと嘔吐の原因になります。
一度止血しても、一寸した刺激で再発することがあります。反復性の鼻出血や外傷後の出血、全身病に伴う出血などは必ず受診してください。
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