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抗生剤について

抗生剤とは?
人を構成する細胞と、細菌を構成する細胞の違い(人にはなくて細菌だけにある、細胞壁等)を標的として、細菌の発育を阻止するお薬です。

どんな種類があるの?
外来で処方される内服の抗生剤は、おもに以下の2剤です。
・ペニシリン系・セファム系:細胞壁合成阻害剤
・マクロライド系:細菌の蛋白合成阻害剤

どうしてウイルスには効かないの?
ウイルスの構造は、細菌と違い細胞壁もなく、増殖には人の代謝系を利用することが多いからです。

ご理解いただきたいこと
細菌感染症には、抗生剤は必要なものです。抗生剤の開発により多くの幼い命が救えるようになりました。しかし、不必要な場合にも投与されていることも多いです。
当院でも、細菌感染症の可能性があれば、抗生剤投与致しておりますが、必要最低限にするために、血液検査を実施しております。不安な時には、再診していただき、再検査をさせていただき、抗生剤が本当に必要なときに抗生剤を処方いたしたいと思っております。
どうかご理解の程をお願いいたします。




咳と痰

咳や痰はなぜ出るの?
気道内(のど・鼻~気管~肺)にばい菌やウイルスが入り込んで炎症が起こったときに出ます。
痰は気道のばい菌を洗い流し、咳は気道内の不要なもの(ばい菌・痰)を外に出すためです。無気肺や肺炎になるのを防ぎます。

咳や痰はとめたほうがいいですか?
生体にとっては必要な咳と痰ですがひどくなりすぎると吐いたり、体力を消耗することがあります。
咳のために肺炎になることはありません。
軽ければ様子を見てもかまいません。

喘息ではないですか?
感染症でも喘息でも、痰が出る・気道が狭くなる・気道にむくみが出る、などの症状が共通にあります。喘息は、アレルギーとの関連があり、このような症状を繰り返すものを言います。

入浴や保育園などに行くのはいいですか?
咳だけであればかまいません。変化を良く見てください。

治療は?
咳止め:脳の咳中枢を抑制します。
去痰剤:痰をサラサラにして切れを良くしてくれます。
気管支拡張剤:狭くなった気道を広げ、痰を出しやすくしたり呼吸を楽にします。
ステロイド剤:気道の炎症、アレルギーを抑えますが、風邪だけでは使いません。中等症以上の喘息や喉頭炎などに使用します。




気管支炎

気管支炎とは?
その名の通り、気管支に炎症が起きて、咳や痰がでます。原因は、ウイルスや細菌の感染です。原因のウイルスはかぜと同じことが多いようです。

かぜよりひどい
「かぜ」は、のどや鼻(上気道)の炎症(感染)を指します。気管支炎は、感染の場所が気管支(下気道)というだけです。必ずしも感染が「かぜ」よりも強いということではありません。従って、熱のないこともありますが、咳や痰は次のような理由で「かぜ」よりも長引きます。

咳がひどい理由
気管支におきた炎症で、気道がむくんで狭くなり、痰が増えた状態になります。これが気管支を刺激してひどい咳がでます。特に、夜自立神経の緊張がとけて
痰が多くなり、咳がひどくなる傾向があります。痰がたまると呼吸困難になったり、肺がつぶれたりします。水分を十分とって痰がねばくならないようにして、じょうずに咳をして、しっかり痰を出しましょう。

治療は
交感神経刺激薬(気管支拡張剤):気管支を拡張します。(ホクナリン・メプチン)去痰剤:痰の切れをよくして排出しやすくします。(ムコダイン・ムコサール)テオドール(キサンチン製剤:カフェインに似ています):気管支拡張剤吸入液は、交感神経刺激剤(気管支拡張剤)です。

「喘息」と「気管支炎」
基本的な病態は、気管支の炎症で同じです。「気管支炎」を繰り返すのは、気管支に過敏性がある状態・体質です。この慢性の炎症がある状態を「喘息」といいます。つまり、気管支炎を繰り返す時に、「喘息」といいます。




熱が出たとき

発熱の理解のために
ウイルスや細菌と戦うために体温を上げ免疫を活発にして、体にとって有利な状態を作っています。
41℃以下での発熱では、一時的にうわごとを言うことや熱性けいれんを起こすことはありますが、脳障害は起こりません。また、熱のために脳炎や肺炎などになることもありません。(病気自体が進行してなることはありますので、顔つき・余裕の有無など全身状態の観察が大切!!)
できれば、体温グラフをお持ちください。診断・治療の参考になります

解熱剤の使い方
熱によるつらさを軽くするための薬で、病気を治す薬ではありません。比較的元気であれば使わないでください。熱のため、頭が痛い・眠れない・食欲がない・水分が取れないなどがあれば、楽にする目的で使ってください。
平熱までは下がりません(1℃程度でしょう。)。病気の勢いが強いときは、まったく下がらないこともあります。
5-6時間はあけて、1日4回まで。解熱剤の使いすぎやあまり効果の強い解熱剤は、病気の治療にプラスにならない上に、副作用の恐れがあります。
坐薬・飲み薬の中身は同じで、効き目もほぼ同じです。

発熱時の看護
寒くない範囲で薄着にして体を冷やしましょう。厚着をさせたり、毛布にくるんだりして温めすぎないように!熱がこもって、うつ熱(熱中症)になると危険です。寒気があるときは、温めて、暑がるようであれば、涼しくしてください。
おしぼりで体全体を拭いて少し濡らしてあげるのも汗をかくのと同様で解熱効果があります(欧米では水風呂にいれる)。氷枕・額に貼るシートなどで部分的に冷やすのは解熱効果がありませんので気持ちをよくする程度だと考えてください。
お風呂は病気を悪くしません。元気そうなら熱があっても汗を流して結構です。咳・鼻水だけならもちろんOKです。余分な体力は使いますので長時間の入浴は避けてください。




アトピー性皮膚炎の管理

アトピー性皮膚炎とは
『さまざまな因子に過敏性を持つアトピー体質者に発症する、かゆみを伴う再発性の湿疹』です。
カサカサ・じゅくじゅくして、年長時~成人では苔癬化して皮膚が厚くなります。多くは思春期までに自然に出なくなりますが、それまで抑えることは可能ですが、治すことはできません。コントロールしていく病気です。

悪化因子
アレルギー・乾燥・汗・ばい菌・物理刺激(掻く)
検査

  1. 血液検査(好酸球・総lgE・lgELAST:ダニ・ハウスダスト・牛乳等)
  2. 皮内反応(プリックテスト)
  3. 負荷テスト:除去テストの後に与えてみて、悪化するかどうか見る
アトピーでは、1~3までの検査が推奨されています。明らかな原因が判明すれば、著明に改善することもあります。食事やおやつの素材への不安があれば、一度検査してみてもいいでしょう。

治療

  1. スキンケア=清潔に、乾燥を防ぐ。
    汚れたり、汗をかいたりしたら、すぐに洗い流して軟膏を塗りましょう。
  2. ぬり薬
    治療の主役となります。皮膚のバリヤー機能を守って悪化しないように、また、悪化したら早めに良くするのがコツです。強い薬を使う期間が短く出来ます。薬は、保湿剤→非ステロイド抗炎症剤→ステロイド剤の順に強くなっていきます。
  3. 原因除去
    除去テストで改善した食べ物があれば、除去します。ダニ・ハウスダストが陽性になれば、対策を講じたほうがいいでしょう。
  4. 内服薬
    抗アレルギー薬:アレルギー反応を抑えます。抗ヒスタミン剤:かゆみを抑えますが眠たくなります。




熱性けいれん

100人に6~8人がおこします。70%以上は1回きりです。ご両親が小さい頃に熱性けいれんを経験したことが結構あります。熱性けいれんは、何度おこっても脳の発達に異常はおこりません。5~6歳を過ぎるとけいれんは、ほとんどがおこらなくなります。

予防薬は必要?
多くが1回きりなので、2回以上けいれんがなければ予防投与は行いません。

解熱剤は積極的に使う?
解熱剤で熱が全く上がらないようにすることはできません。つまり解熱剤で熱性けいれんを防ぐことはできないと言われています。熱のためつらいときに使う程度でよいでしょう。(=通常の使用法)

頻回にけいれんがあったら?
発熱に気づいたら、ダイアップ坐剤を入れる(10分以内に出てしまったらもう一回同量の坐剤を入れてください)
30分たったら解熱剤の坐剤を入れる(続けて入れるとダイアップの効果が落ちるとされています。

けいれん時の対応

  1. まず、落ち着く
  2. 顔を横に向け、吐いたものがのどにつまらないようにします。
  3. 口には指や物を入れない。
  4. けいれんの様子を観察
    ※何分間続いているか。
    ※手足はつっぱていたか、だらんとしていたか。
    ※体の一部か、全身で起こっているか、左右差はないか。
    ※体温を測定。
  5. ダイアップ坐剤を持っていたら、1回分入れる。
  6. 熱性けいれんの多くは数分以内に止まります。止まったらその後診察に来てください。2回目以降で夜間であれば翌日でもかまいません。
  7. けいれんが10分以上続いたり、繰り返して起こったり、生まれて始めてのけいれんの時はすぐに病院へ受診してください。
  8. 大声で叫んだり体をゆすったり押さえつけたりしないでください。かえってけいれんを長引かせたり、激しくしたりします。



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